経理・財務事務って何をする仕事?
経理・財務事務は、会社のお金の流れを記録・管理する仕事です。未経験でも目指せるルートや、向いている人の特徴、入社後のキャリアパスまで、20代の転職検討者にわかりやすく解説します。数字に苦手意識がある方も、ぜひ読んでみてください。
経理・財務事務と聞くと、「数字の専門家がやる仕事」というイメージを持つ人が多いかもしれません。でも実際は、ひとつひとつの作業は地道で、きちんと手順を覚えれば未経験からでも着実に身につけていける職種です。
この記事では、経理・財務事務の仕事内容から1日の流れ、未経験から目指す方法まで、丁寧に紹介していきます。
仕事内容
経理・財務事務の大きな役割は、会社のお金の動きを正確に記録・管理することです。
売上や仕入れ、給与の支払いなど、会社で毎日起きるお金のやりとりを帳簿(お金の出入りを記録するノート)に記録し、会社の状態を数字で「見える化」します。この記録があることで、経営者は「今、会社にどれだけお金があるか」「利益は出ているか」を正確に把握できます。
具体的にどんな作業があるかというと、以下のようなものが挙げられます。
- 伝票入力・仕訳(しわけ):取引が起きるたびに、会計ソフトへ内容を入力する
- 請求書・領収書の管理:取引先から届いた書類を確認し、ファイリングする
- 入出金の確認:銀行口座の入出金記録と帳簿の内容が合っているかチェックする
- 月次・年次の締め作業:月末・年度末に数字をまとめ、報告書を作成する
- 給与計算のサポート:社員の勤怠データをもとに給与計算を補助する
- 税務書類の準備:税理士や税務署に提出する書類を整理・準備する
経理と財務はほぼ同じ文脈で使われることが多いですが、厳密には少し違います。経理は「過去〜現在のお金の記録と管理」、財務は「将来の資金計画や資金調達」を指すことが一般的です。規模の小さな会社では、ひとりで両方を担当するケースも多くあります。
1日の流れ(例)
ここでは、中小企業の経理・財務事務担当者の1日をイメージしてもらうために、ある1日の例を紹介します。あくまで一例ですが、仕事の感覚をつかむ参考にしてください。
8:30 出社・メールチェック 取引先からの請求書や確認メールが届いていないかをチェックします。緊急の対応が必要なものがあれば、早めに処理します。
9:00 前日分の入出金確認 銀行口座の明細を確認し、昨日の入金・出金が帳簿の内容と一致しているかを照合します。この「突き合わせ(数字の照合)」は毎日の基本作業のひとつです。
10:00 伝票入力・仕訳処理 届いている請求書や領収書をもとに、会計ソフトへデータを入力します。1件ずつ丁寧に確認しながら進めます。
12:00 昼休憩
13:00 書類整理・ファイリング 処理が終わった書類を種類ごとに整理し、所定のファイルへ保管します。後から探しやすい状態を保つことが大切です。
14:00 上司への確認・報告 処理した内容に不明点があれば上司や先輩に確認します。月末が近い時期は、月次集計の準備を進めることもあります。
15:30 取引先への支払い処理 支払い期日が近い請求書を確認し、振り込み手続きを行います。金額や口座番号に間違いがないよう、ダブルチェックします。
17:00 翌日の作業確認・退社 翌日の優先タスクを確認して、業務終了です。
月末や年度末は締め作業が重なることもありますが、日常的なペースは比較的落ち着いています。
向いている人
経理・財務事務は「数字が大好きな人だけの仕事」ではありません。以下のような性格や特徴を持つ人が、仕事を楽しみながら活躍しています。
細かいところまで丁寧に確認できる人 数字の入力ミスや書類の記載漏れは、後で大きな問題につながることがあります。「ひとつひとつ確認しながら進める」ことが自然とできる人にとって、この仕事は非常に向いています。
コツコツとした作業が苦にならない人 毎日の伝票入力や書類整理など、地道な繰り返し作業が多い職種です。「着実にこなしていくことに達成感を感じる」という人は、経理・財務事務の仕事にやりがいを見つけやすいでしょう。
責任感を持ってお金を扱える人 会社の資金を直接扱う場面もあります。「ミスを出さないようにしよう」という責任感と、丁寧さを大切にできる人は、職場からの信頼も得やすいです。
自分のペースで着実に成長したい人 経理の知識は、資格取得や実務の積み重ねによって少しずつ広がっていきます。焦らず、着実に成長していきたいと考えている人にはぴったりの環境です。
デスクワーク中心のはたらき方が好きな人 外回りや体力仕事が少なく、オフィスでの作業が中心です。落ち着いた環境で集中してはたらきたい人に向いています。
未経験から目指すには
「経理は専門知識がないと無理」と思っている人もいるかもしれませんが、実際には未経験からスタートしてキャリアを築いている人がたくさんいます。
まずは基本的な知識に触れてみる
会計の基礎や、お金の記録のルールである「複式簿記(ふくしきぼき)」の考え方を少し知っておくと、面接でも「やる気があること」が伝わりやすくなります。書店に行けば初心者向けのわかりやすい入門書が多く並んでいますし、独学で進めやすい分野でもあります。
日商簿記の資格を取得しておくと強い
経理職で最もよく知られている資格が日商簿記検定です。3級から挑戦できて、会計の基礎的な仕組みを学ぶのにちょうどよいステップです。2級まで取得できると、求人の幅が大きく広がります。完全未経験の状態でも、3〜6か月ほど学習すれば3級合格を目指せる資格です。
「事務未経験歓迎」の求人に目を向ける
経理・財務事務の求人の中には、未経験者の育成を前提にしている職場も少なくありません。まずは補助的な業務からスタートして、少しずつ担当範囲を広げていくスタイルの職場が多いです。「いきなり全部できなくて大丈夫」という環境を選ぶことが、未経験スタートの大切なポイントです。
エクセル(表計算ソフト)の基本操作に慣れておく
経理の仕事では、表計算ソフトを日常的に使います。合計を出す・簡単な表を作る・データを並び替えるといった基本操作を事前に練習しておくと、入社後にスムーズに業務に入れます。
キャリアパス
経理・財務事務でコツコツと経験を積むと、さまざまなキャリアの道が開けてきます。
スペシャリスト(専門家)として深める
経理・財務の知識を深め、連結決算(複数のグループ会社をまとめた決算)や税務申告の実務を担えるようになると、専門性の高い人材として評価されます。大手企業やグローバルに展開している会社でのポジションを目指す道もあります。
管理職・チームリーダーへ
経験を積むと、経理チームのまとめ役や、経理部門のリーダーを担うポジションに昇進するケースもあります。後輩の育成や部門の業務改善を担うやりがいある役割です。
財務・経営企画へのステップアップ
経理の土台を持ちながら、会社の資金計画や経営判断に関わる財務・経営企画部門へ移るキャリアもあります。「お金の記録」から「お金の戦略」へと視野が広がる、やりがいの大きい転換点です。
税理士・公認会計士などの資格取得を目指す
実務を積みながら、税理士や公認会計士などの国家資格を目指す人もいます。取得まで時間はかかりますが、これらの資格を持つと独立開業や高度な専門職への道も開かれます。
他業種の経理職へ転職する
経理のスキルは業種を問わず必要とされるため、「製造業の経理から、IT企業の経理へ」といった転職もしやすい職種です。経験を積めば積むほど、選択肢が広がります。
よくある質問
Q. 数学が得意でないと難しいですか?
A. 高度な数学の知識は必要ありません。経理の仕事で求められるのは、足し算・引き算・掛け算といった四則計算と、数字を丁寧に確認する習慣です。会計ソフトや表計算ソフトが計算を補助してくれるので、「計算力」よりも「正確さへのこだわり」のほうが大切です。
Q. 資格がないと経理職には就けませんか?
A. 必ずしもそうではありません。資格なし・未経験でも採用している職場はあります。ただ、日商簿記3級を取得しておくと、知識の証明になるうえに学習意欲も伝わるため、選考をスムーズに進めやすくなります。資格は「取れたら有利」ぐらいの気持ちでまず行動してみましょう。
Q. 経理の仕事は残業が多いですか?
A. 職場によって差はありますが、月末・年度末の締め作業の時期は業務量が増える傾向があります。一方で、日常業務は比較的ルーティンで進めやすく、締め期以外は落ち着いたペースではたらける職場も多いです。求人票の残業時間の目安を確認したり、面接で働き方について質問したりすることをおすすめします。
Q. 経理職は転職しやすいですか?
A. はい、経理・財務のスキルはどの業種・業界でも必要とされるため、経験を積むほど転職市場での選択肢が広がりやすい職種です。最初の一歩を踏み出して経験を積めば、長期的なキャリアの安定につながりやすいといえます。
Q. 経理と総務・一般事務は何が違いますか?
A. 一般事務や総務はオフィス全体の幅広い業務(電話対応・来客対応・備品管理など)を担当します。一方、経理・財務事務はお金の管理に特化した専門性のある仕事です。「専門スキルをひとつ磨きたい」という人には、経理・財務事務のほうが明確なキャリアを描きやすいでしょう。
経理・財務事務は、会社の中で「縁の下の力持ち」的な存在です。目立つ仕事ではないかもしれませんが、正確なお金の管理があってこそ会社は安心して動けます。着実に知識とスキルを積み上げていける環境を探している20代の方にとって、非常に手ごたえのある職種のひとつです。
ぜひ、自分に合う求人をじっくり探してみてください。
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